布施の浄土ヶ浦は「大山隠岐国立公園」の特別保護地区であり、「隠岐ユネスコ世界ジオパーク」にも認定された、世界に誇る景勝地です。一休宗純(一休和尚)がここに訪れた際に「まるで浄土のようだ」と歌を詠み、讃えたとされる民話も伝えられており、浄土ヶ浦という名の由来になったとも言われています。
しかし、そんな浄土ヶ浦にも漂着ごみは遠慮なく押し寄せ、その風光明媚な景観も失われつつありました。
そこで、エコジオプロジェクトの出番です!!
通算3回目となる今回の「エコジオプロジェクトin浄土ヶ浦」は、令和7年9月6日(土)に実施され、40人を超えるボランティアの皆さんとスタッフを合わせた約60人が浄土ヶ浦へ集結しました。
当日は爽やかな快晴に恵まれ、雲1つ無い空の下で参加者の皆さんが協力しながら、約70分かけてゴミ拾いを行いました。9月に入ってもまだまだ厳しい暑さが続き、休憩中には飲み物とかき氷で乾いた喉を潤しながら、海岸のごみを丁寧に拾い集めていきました。作業終了後の海岸は見違えるほど様変わりし、浄土の例えにも頷ける美しい景観を取り戻しました。
ごみ拾いの後は、体験イベントとして地元の飲食店や団体の協力のもと、流しそうめんとスイカ割りを行いました。地元飲食店のポーレストさんからはおにぎりや卵焼きなどもふるまわれ、皆さん美味しそうに頬張りながら、ごみ拾いでの疲れを癒し、参加者同士の交流を深めていました。
スイカ割りへの参加はお子さん限定!目隠しをして周りの指示に耳を傾け、時に惑わされながら、一生懸命にスイカめがけて棒を振り下ろす様子には皆にっこり。とても和やかで暖かな雰囲気が会場全体を包み込みました。
参加者の皆さんからは、「ごみ拾い以上の恩恵を受けられた」「たくさんの人と交流することができた」「目に見えて成果を感じる結果だった」など多くのご感想をいただき、エコジオプロジェクトの今後の展望に思いが膨らみます。
今や世界の共通課題であり、未来を見据えた持続的な活動が求められる”環境保全”。隠岐の島の豊かな自然、土壌、それらが織りなす美しくも特異な景観を守り続け、後世に繋いでいく責任は隠岐びとの皆さん一人一人にあります。島内に1つでも多くの輪を作り、波及させるきっかけを担うのが「エコジオプロジェクト」です。そうして形成されたコミュニティは、単に環境保全に勤しむだけのものではなく、地域の暮らし、文化、人の繋がりをも守り得る強固な関係へと昇華するはずです。
いつの時代も物事の転換点は小さな事柄の積み重ねから生まれます。皆さんも”拾うこと”をきっかけに隠岐の島の未来を支える立役者になってみませんか?
【この記事に関するお問い合わせ】
隠岐の島町役場 環境課 生活環境係
連絡先:08512-2-8565