5月15日、松江地方法務局西郷支局において、令和7年度隠岐人権擁護委員協議会の定時総会が開催されました。地域に根ざした人権活動を支える皆さんの姿をご紹介します。

人権擁護委員協議会の活動は、普段目に触れる機会が少ないかもしれませんが、町民の皆さんの安心と尊厳を陰で支える大切な取組みです。今回の定時総会では、山根 勝協議会会長から、昨年できなかった総会が無事開催できたことへの喜びとともに、過去一年間の活動を振り返るご挨拶がありました。

「昨年は、21回の人権相談所の開設をはじめ、社会福祉施設での出張相談、さらには子どもたちによる人権書道・人権作文の実施など、多くの場面で人権啓発に取り組むことができた」とのこと。特に教育機関との連携を重視されており、子どもたちの感性を育む活動としても意義深いものだったと感じています。

また、町役場と協力して街頭啓発活動を実施したことについても、「一般の方々に人権の大切さを直接伝えられる貴重な機会だった」と、町民との接点の場が広がっている様子が伝わってきました。

無報酬でも、責任と誇りを持って
人権擁護委員とは、法務大臣の委嘱を受けた民間の方々で、無報酬ながら地域の人権相談や啓発活動に取り組んでおられます。この制度は世界的にも珍しく、地域の多様な人々が自らの地域を思い、人権を守るために支え合う、日本ならではの仕組みです。

山根会長は「役場から頼まれて委員になった方も多いと思うが、なったからには責任を果たす必要がある」と語られました。その言葉には、委員一人ひとりのやりがいと誇り、そして町と連携しながら活動を推進していこうという意志がにじんでいました。

表彰では、長年にわたる人権活動に尽力された方々に対し、松江地方法務局長と島根県人権擁護委員連合会長から感謝状が贈られました。そのお姿は、会場全体に静かな感動を与えていました。

地域の人権を守るという営みは、一人では難しくても、協力し合うことで確かな力になります。日常の中で見えにくい活動こそ、私たちの暮らしを支えているのかもしれませんね。もし皆さんのまわりで人権に関する心配ごとがあれば、身近な人権擁護委員さんに声をかけてみてください。

【この記事に関するお問い合わせ】
隠岐の島町役場 地域振興課 政策企画係
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